スタンドオフの選手評価に関する研究

○木内 誠 (順天堂大学大学院) 
  廣津 信義 (順天堂大学大学院)
  鷲谷 浩輔 (千葉商科大学)

キーワード:選手評価、スタンドオフ、ジャパンラグビートップリーグ

【目的】
 ラグビーには10のポジションがある。中でも、スタンドオフ(以下、SOと示す)は司令塔としてチームの戦術を遂行するためのキーマンで(Greenwood,1997)あるため、試合におけるSOの出来、不出来がチームの勝敗に及ぼす影響は高いと考えられる。ラグビーはそれぞれのポジションに異なった役割がある。しかし、James(2005)はSOの選手のプレー頻度の比較を行い、同一のポジションにおいても選手が行うプレーには異なる特徴があることを明らかにしている。このことから選手によって異なる特徴があると考えられる。そこで本研究は、SOの選手を対象にプレーの特徴を考慮した評価を行うことを目的とする。

【方法】
データ
 本研究で使用するデータはジャパンラグビートップリーグ公式アプリケーションのDATA項目より19項目(表1)を取得した。対象とした試合は2014-2015シーズンに行われた112試合とし,その中で出場時間が700分を超えた選手を対象とした。

統計方法
 19項目のデータを縮約するために,主成分分析を行い、その縮約されたデータを基に,選手をプレースタイル別に分類するため,クラスター分析を行った。
 さらに、SOのDEA(Data Envelopment Analysis)を用いて選手の特徴を活かした評価を行なった。
 以下はDEAの計算式である。

【結果】
 主成分分析を行った結果,第1から第4主成分で寄与率が66.6%となったため,本研究では第4主成分までを使用した(表2)。主成分分析の結果を基にクラスター分析を用いて選手を6つに分類できた。
 DEAの結果、SOの効率的な選手は20中8名であった。各選手に特徴を考慮した評価ができた。

【結論】
 プレースタイル別に選手を分類することによって,選手の特徴を把握することができた。
 DEAを使って項目の重み付けをすることで,各選手の特徴やプレースタイルを把握できた。