日本ラグビー学会第11回大会のご案内

日本ラグビー学会第11回大会を下記のとおり開催いたします。

■期日:2018年3月24日(土)10:00~17:00(開始終了時刻は予定)

■会場:関西大学 堺キャンパス
■アクセス:南海高野線「浅香山」駅下車、徒歩約1分

■講演:「発育発達からみたラグビー指導について」(案)

■一般演題募集:ラグビーに関する演題

抄録原稿はWordで作成し、1)演題 2)演者(発表者に○印) 3)所属 
4)キーワード 5)本文(目的、方法、結果及び考察の順)をA4用紙1頁以内、本文は2段組み(図・表含む)で記載のうえ、下記E-mailに送付して下さい。

※抄録原稿の詳細な形式は過去の学会大会の抄録集(Supplement)に準ますので、文字の大きさやスタイル等の具体例はそちらをご参照ください。
※演者並びに共同研究者は、正会員または臨時会員でなければなりません。

正会員の入会手続きは、日本ラグビー学会HPからお願い致します。

○一般演題締め切り期日:2018年1月31日(水)
E-mail :smori@kansai-u.ac.jp 森 仁志 宛
また、本学会誌への研究論文の投稿も募集致します。
書式は過去の学会誌の形式に準じますのでご参照のうえ、原稿は下記E-mailに送付して下さい。
○投稿論文締め切り期日:2018年1月 31日(水)
E-mail :hishiza@naramed-u.ac.jp 石指 宏通 宛

【お問合わせ】
お問合せはこちら

ラグビーフォーラムNo.10

ラグビーフォーラムNo.10(2017年3月発行)

JAPAN RESEARCH JOURNAL OF RUGBY FORUM No.10 (March 2017)


【原著論文】

大学ラグビー選手における線形ピリオダイゼーションの準備期・筋肥大段階

12週間のトレーニングプログラムが体格、筋力・パワー、スプリント、アジリティおよびジャンプ能力に与える効果
河野儀久(環太平洋大学)

脳振盪-全国高等学校ラグビーフットボール・花園大会に於ける30年間の変遷-

外山幸正(とやま整形外科クリニック)

2015年ラグビーワールドカップにおけるスクラム様相に関する研究

鷲谷浩輔(千葉商科大学)、木内誠(順天堂大学)

ラグビー競技の戦略的なパントキックに関する基礎的研究

-ラグビーワールドカップ2015上位4カ国を対象として-
吉田明(日本大学)、大嶽真人(日本大学)、橋口泰一(日本大学)、
坂本宗司(日本大学)、小圷昭仁(防衛大学)

失トライ数による7人制ラグビーのタックル様相の相違

-日本代表に着目して-
木内誠(順天堂大学)、鷲谷浩輔(千葉商科大学)、八百則和(東海大学)、
林莉奈(順天堂大学)、廣津信義(順天堂大学)

アメリカのラグビーを考えるために:研究のための序章

大西好宣(千葉大学)

【報告】

創部50周年記念ニュージーランド遠征報告

榎本孝二(大阪府立千里高等学校)

(氏名:敬称略)

日本ラグビー学会誌 「ラグビーフォーラム」No10
平成29年3月25日 印刷発行 非売品
発行者   日本ラグビー学会 会長     溝畑寛治
発行所   〒564-8680
      大阪府吹田市山手町3-3-35
      関西大学 千里山キャンパス 中央体育館
      日本ラグビー学会事務局
      http://www.jsr.gr.jp/
印刷所   〒550-0002
      大阪市西区江戸堀2-1-13
      あさひ高速印刷株式会社
      TEL:06-6448-7521(代) FAX:06-6371-2303
      http://www.ag-media.jp/

「ラグビーの怪我防止と選手寿命」

―ラグビーを楽しむために―

鈴木道男 (どんぐりラグビークラブ)
キーワード: 怪我予防 リスクマネジメント 安全 生涯スポーツ 選手寿命

【目的】
日本全国で行われているラグビー、激しいコンタクトプレーが伴うゲームでは、大きな怪我をすることが直接引退、選手寿命を縮めることにつながる。ラグビー参加者を増やし、いつまでもゲームを楽しむために、練習やゲームなどで怪我をしない安全性が不可欠である。 怪我の防止対策について、大怪我が選手寿命に直接的に関わるシニアラグビーのカテゴリーに焦点をあてて考察する。

【方法】
シニアクラスカテゴリーについて、 日本ラグビー協会や、調査した診療機関にも怪我、傷害の統計記録はない。どんぐりラグビークラブの活動、自身の49年間のプレーヤー、レフリーとしてのすべてのカテゴリーの活動経験から、ラグビーの好ましい環境、プレーヤーの特性、有効な防止策の考察をした。・・  ○怪我の発生起因として考慮が必要なファクターから、プレー環境、ゲームアレンジ、チームの準備、選手個人の対策などを分析する。・・

【結果・考察】
最適なゲーム環境として 全面芝生グラウンドは、競技のリスクを軽減し安全を保全する。選手はキックオフの前に下見をして、ゴールポストやインゴールの状態も含めグラウンドすべての状態を確認する。
(ゲームアレンジ) ゲームマネジメントは、チームの選手構成に合わせた対戦相手の設定、ゲームコンセプトの共通認識などが基本的安全要素である。参加するすべての選手と担当するレフリーは、双方チームの特徴、年齢構成、スキルレベルを把握する。ゲームプランを確認し、コンセプト共有を徹底する。
(選手個人の要因) 選手の怪我発生リスクは、常に客観的なファクター分析が必要である。
①自分を知る⇒自身の競技レベル、スキル、体調コンディション、経験値、
②相手を知る⇒選手の年齢差、スキル格差 エンジョイゲームかコンテストゲームか確認
(怪我が予想されるリスクを把握)
■長期的視点⇒加齢による老化、反応速度 反射神経などの低下に注意する。
■短期的視点⇒日々の体調の変化、関節の可動域、筋力、集中力を知る。
■最適なスタイル⇒ヘッドギア、マウスピース、ショルダーガード、テーピング、ウェア、スパイク、手入れと安全確認を徹底する。
(準備と対応)
①十分な準備運動・ストレッチ  試合前にチーム単位で行うことが多いが、自分自身で自分の身体と対話することが必要である。いつもと違和感がないか、関節可動域の変化はないか、チーム全体メニューと別のプライベートメニューで進める柔軟性も取り入れる。自分自身が自分の身体と対話する時間を持つ。
②ウォーミングアップ 実際のランニング、基本動作など確認しながら「ひと汗」をかくことで、持久力、瞬発力など筋肉動作確認をする。
③確実なテーピング 古傷や痛めている部位には予めテーピングで保護する。
④ゲームに出場しても、確実なプレーのみ行い、不安があるときは無理をしない。
⑤クールダウン ダメージから確実な回復を目指し、次回ゲームに備える。
(ゲーム中の対応)
①選手自身と双方のチームの状態把握
②開始直後とピリオド終了前が要注意時間帯③小さな怪我の放置は、次の大きなダメージの怪我につながるので、確実に処置をする。

【まとめ】
怪我の手当てより予防意識、主催者やリーダーは安全対策を講じることは必須だが、怪我をするのは選手個人である。
「怪我が発生する前提での応急処置、準備」の前に、あわせて「怪我を予防する意識」が大切である。
選手、レフリーそれぞれがラグビー競技のリスクを把握することで、安全にコンタクトプレーを楽しむことができる。
ラグビーの怪我を予防することは、選手寿命を確実に延伸でき、「安全に楽しく」生涯スポーツとしての位置づけが明確になる。
■あらゆる世代が楽しめることで、ラグビーの価値がさらに認識され、「生きがいの提供」として社会に大きな貢献ができる。

スタンドオフの選手評価に関する研究

○木内 誠 (順天堂大学大学院) 
  廣津 信義 (順天堂大学大学院)
  鷲谷 浩輔 (千葉商科大学)

キーワード:選手評価、スタンドオフ、ジャパンラグビートップリーグ

【目的】
 ラグビーには10のポジションがある。中でも、スタンドオフ(以下、SOと示す)は司令塔としてチームの戦術を遂行するためのキーマンで(Greenwood,1997)あるため、試合におけるSOの出来、不出来がチームの勝敗に及ぼす影響は高いと考えられる。ラグビーはそれぞれのポジションに異なった役割がある。しかし、James(2005)はSOの選手のプレー頻度の比較を行い、同一のポジションにおいても選手が行うプレーには異なる特徴があることを明らかにしている。このことから選手によって異なる特徴があると考えられる。そこで本研究は、SOの選手を対象にプレーの特徴を考慮した評価を行うことを目的とする。

【方法】
データ
 本研究で使用するデータはジャパンラグビートップリーグ公式アプリケーションのDATA項目より19項目(表1)を取得した。対象とした試合は2014-2015シーズンに行われた112試合とし,その中で出場時間が700分を超えた選手を対象とした。

統計方法
 19項目のデータを縮約するために,主成分分析を行い、その縮約されたデータを基に,選手をプレースタイル別に分類するため,クラスター分析を行った。
 さらに、SOのDEA(Data Envelopment Analysis)を用いて選手の特徴を活かした評価を行なった。
 以下はDEAの計算式である。

【結果】
 主成分分析を行った結果,第1から第4主成分で寄与率が66.6%となったため,本研究では第4主成分までを使用した(表2)。主成分分析の結果を基にクラスター分析を用いて選手を6つに分類できた。
 DEAの結果、SOの効率的な選手は20中8名であった。各選手に特徴を考慮した評価ができた。

【結論】
 プレースタイル別に選手を分類することによって,選手の特徴を把握することができた。
 DEAを使って項目の重み付けをすることで,各選手の特徴やプレースタイルを把握できた。

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