ラグビー未経験者を含めたチーム作りを振り返る

〇入江直樹 山田康博 三神憲一(滋賀大学体育会ラグビー部)

【目的】
2017年度滋賀大学体育会ラグビー部(以下、滋賀大ラグビー部)は昨年度にDリーグに降格して今年度Cリーグに昇格するために努力したが、昇格できなかった。来年度再度昇格にチャレンジするが、そのためには部員一人一人の更なるスキル向上とチーム力を高めるためには一人でも多くの経験者を入部させる必要がある。しかし一方で、学生ニーズの多様化による課外活動組織の増加と女子学生の増加による入部勧誘対象者の減少などにより部員の確保が困難になってきている。どのような手段・方法を用いれば効果的に部員を確保して、チームを強化していくことができるかを考えたい。

【方法】
2017年度滋賀大ラグビー部の選手部員数は41名であるが、そのうち高校までにラグビーを経験した部員(以下、経験者)は16名で全体の39.0%であった。新入部員獲得のために勧誘パンフレットを作成したり、体格のよい学生に直接声掛けしたり、食事に誘うなどの方法で入部を促している。その結果毎年10名程度の部員が入部している。大学は教育学部、経済学部、データサイエンス部の3部構成で、経済学部、データサイエンス部は彦根キャンパスに、教育学部は大津キャンパスにあるため、それぞれの往来に1時間以上かかり、多くの教育学部の学生を入部させることは難しい。また2017年度の経済学部、データサイエンス部の学生数は2,627名で男性1,745名、女性882名であった。また彦根キャンパス内には文科系クラブ・サークルが36団体、体育系クラブ・サークルが46団体、自治会・学生会等が8団体存在して活動している。その結果、毎年入学してくる650名の学生を90団体で奪い合うこととなっている。2017年度は男性入学者411名でラグビー部は10名確保することができた。このような環境下でラグビー経験者、体格のよいスポーツ経験者、ラグビーに興味を持つスポーツ未経験者などを探し出して入部させることがクラブ維持のために必要なこととなっている。

【結果】
様々な背景を持つ新入部員に対してラグビーができるような体力、スキル、精神力を備えさせることが重要である。そのためには部員一人一人の状況を把握して、それぞれの到達目標を共有しながら育成することが重要ではないかと思われる。

【考察】
部員確保のための外部環境は今後更に厳しいものとなることが予想されるが、2019年のワールドカップの勢いを失うことなく、多くの部員を確保して、全てのプレーヤーがラグビーの楽しさを体験し、豊かな人生を送れるようにできればと考える。そのためには多くの事例や考えを元にして常に新しい取り組みを行うことが肝心なのではないかと思われる。