ワールドカップ大会の得点の変遷
高津浩彰(豊田工業高等専門学校)
岡本昌也(愛知工業大学)
1. はじめに
ラグビーのワールドカップ大会は、1987年にニュージーランドで第1回大会を開催して以来、2007年にフランスで第6回大会を開催し終了した。その間には、ルールの改定(得点の改定など)、プロ化(アマチュア規定の排除)、出場国の増加(16カ国から20カ国へ)などがあり、より魅力あるラグビーの試合が行われるようになったと考えられる。
本研究では、
(1)得点およびその内容(トライ数、PG数など)の変化について調査する。
(2)出場国数の変化とミスマッチ数の変遷について検討する。
(3)日本の得点の変遷についても調査し他の国と比較検討する。
2. 調査方法
使用するデータは、総得点、得点差、勝ちチーム得点、負けチーム得点、トライ数、PG数、ゴール数である。また、30点以上の得点差のあるゲームをミスマッチゲームとして、その変遷についても検討する。
3.結果
総得点の変遷について図1に示す。
1試合の平均総得点は、1987年から1991年に減少し、2003年まで増加、2007年に減少する傾向を示した。また、得点差は決勝トーナメントのほうが予選に比べ少なかった。
図2:ワールドカップにおけるトライ数の変遷継続を重視しトライを多くするために、モールラックのルールが変更されたが、第1回大会のトライ数が多いことが確認された。
ミスマッチ数の変遷について図3に示した。1999年大会に出場国数が増えたが、これに伴いミスマッチ数が増加した。
1987年の大会時に日本と得失点が類似していた国について、その変遷を調査した結果、アルゼンチンの得失点がプラスに変化したことがわかった。ルーマニアとイタリアについては、得失点はマイナスを示した。