ラガール普及法 ~アンケート調査から紐解く~

財田 幸治(兵庫県立神戸甲北高等学校)

キーワード:仲間・安心安全・憧れ・競技人口

【はじめに】
 本校は、高校からラグビーを始めるラガール数日本1位である。選抜大会においても開催年から3年連続単独出場は本校のみ。ラガールの普及方法の方法論を明らかにし、コベルコカップ2014第4回全国高等学校女子7人制ラグビーフットボール大会に参加した高校女子選手、近畿高校女子選手のアンケート結果を元に実証していきたい。

【方法】女子ラグビーの普及方法
1.カッコよさを演出<クラブ運営・身なり・日常生活・リーダーシップ>
2.ラグビーが当たり前の環境<北区ラグビーフェスティバル・地域の口コミ・地域誌>
3.安心安全をPR<7人制の浸透・鬼ごっこ・マスメディアの協力・柔道場での接点練習・試合は芝生のみ・トレーナーの協力・テーピングの積極的活用>
4.憧れの存在<結果を出す・目標大会・リーダーシップ・学校での発表>
5.勧誘のポイント<誰が声掛け・夢を語る・身近で手軽>
6.ラグビー本来の楽しさを体験<体験内容・練習メニューの工夫・公式戦・練習試合>

【結果と考察】
 コベルコカップ 2014第4回全国高等学校女子7人制ラグビーフットボール大会に参加した普及・ハイパフォーマンス127名(北海道8名、東北15名、北信越16名、東海17名、中国17名、四国20名、九州34名)、近畿64名 計191名のアンケート結果から考察する。
・ラグビーを始めた理由<楽しそう42.4%、先生・友人の勧誘48.7%、雰囲気22.5%>
・影響を受けた人<先輩25.0%、友人21.7%、親18.5%、兄弟16.8%、先生13.0%>
・ラグビーを勧誘して断られた理由<怖い26.3%、痛い22.0%、危ない19.5%>
・ラグビーの嫌いな部分<痛い35%、しんどい29.8%、危ない17.3%、太る・筋肉がつく15.2%>
・ラグビーの良さ<仲間ができる68.6%、トライをとる爽快感56.6%、みんなで繋いでトライ55.0%、ラグビー自体54.5%、全国に仲間ができる51.8%、相手を抜いた時45.0%>
 アンケート結果から本校の勧誘方法のコンセプトは、的を射ている。

【まとめ】
 小学生の時にラグビーを始めるのは、親・兄弟の影響が大きい。しかし高校からラグビーを始める理由は、安心安全で熱意のある先生の元に、夢を追い続ける先輩・仲間がいる環境である。そんな環境を作るためには、指導者自身が本気になれる環境に身を置き、ラグビーに指導者が育てられ、指導者がラグビーを創らなければならない。創造力のある指導者数を増やすことが女子ラグビー界の課題である。