マネージャーによる試合内容分析に関する成果について

山川詩織、入江直樹、山田康博、三神憲一
(滋賀大学体育会ラグビー部)

キーワード:マネージャー、チーム力の分析、レフリー

【目的】
今回我々はチームマネージャーが試合内容をビデオなどで分析して、チーム力向上のために貢献することを新たな役割とした。この役割は戦力向上に役立つだけではなく、マネージャーなどの運営スタッフにも新たなやりがいを与え、チーム全体に付加価値を与えることとなった。その内容を報告する。

【方法】
検討した試合は2014年9月28日京都教育大学とのリーグ戦で実施した。試合中に目視で確認した内容と試合後に記録映像にて次の項目について確認した。
1.試合中における実際のプレー時間
2.そのボール占有率
3.ラインアウトの成功率
4.個人別タックルの有効性
5.個人別反則の数とその内容
などを調査した。

【結果】
プレー時間は合計80分の試合時間で実際のプレー時間は39分32秒であった。前半21分30秒、後半18分02秒と前半より後半の方がプレー時間は短かった。ボール占有率も前半は62%であったが後半は40%と後半に占有率が下がった。またラインアウトでも前半と比して後半に成功率が下がった。チーム全体としては後半に全身的持久力の低下が顕在化し、それによりセットプレーなどの正確性が低下したものと考えられる。個別の反則数をみてもまだまだノックオンする者が7名と多く、加えて効果的と考えられるタックルは全タックル71回のうち7回と10%にも満たない状況であった。これらの分析からチームとしてリーグ戦初戦に臨むにあたって十分仕上げてきたとは言えない状態であったのはないかと考えられる結果であった。
これらの結果を監督、主将などに報告することで試合後のチーム分析に貢献できたのではないかと考える。

【考察】
これまでチームマネージャーがこのような分析を実行したことはなかったが、少しでもチーム力向上のために役立ちたいという思いで分析を行った。このような取り組みは上位リーグでは当たり前のことであるかもしれないがDリーグにおいてはほとんど行われていない。チームマネージャーは選手の準備補佐役がその役割の大半であるのではと思う。マネージャーはそれ以外にこのようなチーム力の分析、体力強化、メンタルトレーニングなど様々な分野に積極的に取り組むことでチームにプラスの影響を与えるとともにマネージャーにも新たなやりがいを提供してチーム全体を一体化させることに貢献できるのではないかと考える。今後ともこのような試合内容の分析力の向上を図るとともにルールの精通、女子レフフリーへの挑戦など様々な知見に習得に精進していく考えである。